NeoAlchemist No.294

最終更新日: 2022-11-18

金クラスター ~超原子~

BZM

1. まず初めに。–クラスターとは–

みなさんは”クラスター”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?きっとあるでしょう。クラスター感染、家庭内クラスター…とまあ医療関係の報道で多く耳にし、残念なことに”クラスター”という言葉にマイナスな印象を抱いているかもしれません。クラスターという言葉の元々の意味は「房」というものです。そこから小規模の集団という意味合いで先ほど挙げたような用語に用いられています、残念なことに。 さて、この記事に登場するクラスターとはまさにぶどうの房のようにいくつかの粒、原子がいくつか集まってできた化合物です。 よく知られていて無機化学の教科書に登場するクラスターとしては、フラーレンやホウ素のクラスターなどがあります。ですが、今回は金属原子、特に金原子からなるAu13クラスターに注目します。金属原子が孤立している状態(例えば錯体)と、金属原子が無数につながった状態(いわゆるバルクの金属)との中間の状態(原子数は2~数百個)に存在しながら、そのどちらでもない特異的な性質を示すクラスター。その点から新たな機能物質としての開拓が試みられています。その電子的な性質を”超原子”というほとんどの人には全く馴染みがないだろう概念を導入してその電子状態の概説をしていきます。


図1 金属原子の数と分類

2. 超原子という概念

金属クラスターは複数の金属原子同士が結合を作りながらも、十分な数の原子を含んでいないためエネルギー準位は離散化しています。安定に存在する金属原子クラスターには規則性はあるのでしょうか?離散化したエネルギー準位は毎回、分子軌道を専用ソフトで計算してみないと全く予測もできないのでしょうか? 実はある簡単なモデルを立てることで、安定に存在するクラスターを予測することが可能となります。
金原子を例にして話を進めていきましょう。金原子の電子構造は [Xe] 4f14 5d10 6s1 です。電子数は79個です。 これが何個も集まったものを考えるのは面倒ですね。このうち、最外殻の6s1がクラスター内で自由電子のように振る舞います。この自由電子のみに着目してしまい、他の電子が原子核の正電荷を遮蔽して静電ポテンシャルを均質化するために使われるだけのものとしてしまえば、極めて扱いやすくなります。 このポテンシャルさえ考えてしまえば、電子の振る舞いはある程度見通すことが可能になります。このようなモデルをジェリウムモデルと呼びます1


図2 ジェリウムモデルの大雑把なイメージ

さて、金クラスターの形は球形であると仮定しましょう。つまり、球形に正電荷(金原子核+内殻電子)がより集まっていると考えます。その部分では電子は引力を感じるわけです。一方、その場所から外れれば正電荷はほとんど感じないとします。球形の井戸型ポテンシャルのような状態ですね。この球形の井戸型ポテンシャルで量子力学的計算を行うと、固有関数に動径波動関数・球面調和関数が出てきて、主量子数 n ・方位量子数 l で状態を指定できるようになります1。自由電子の状態は1S, 1P, 1D, 2S ….というように指定でき、縮退度は原子軌道の時と同じように方位量子数 l で決定されます。つまり、原子軌道と似た姿となるわけです。原子軌道との区別のため、クラスターの軌道には大文字を用いるのが通例です2。一方で、異なる点があります。もうお気づきかもしれませんが、主量子数 n による方位量子数 l の制限がないのです。そのため、1Pという化学に馴染みがある人には違和感のある表現が現れるのです。ただし、完全な井戸型ポテンシャルではなく、いくらか電子がクラスター外部にも染み出しやすいように図3のようなポテンシャル(Woods-Saxon型ポテンシャル)を考える方が現実の系に近づきます2


図3 Woods-Saxonポテンシャル

このポテンシャル下で量子力学的な計算をすると、エネルギーの順番は下から順に1S, 1P, 1D, 2S…というようになるのです。このようにクラスターの性質に関わる軌道に原子軌道との類似性が認められることから、金クラスターなどは「超原子」と呼ばれることがあります。また、1S, 1P,…などは「超原子軌道」と呼ばれます。原子においては閉殻状態になると安定になるように、超原子軌道が閉殻となっている超原子は高い安定性を示すことが経験的にも知られています。以降の例では、1Sと1Pが過不足なく占有された8電子系が多く登場します。この8電子系を原子で例えるならば、貴ガスのNe(2sと2pが完全に占有されている)のようなものでしょうか。電子の数え方は単純で、Au原子は1つの電子を超原子軌道に供給するとみなします。そこから、クラスター全体の電荷分引いて電子数とするのです。例えば、Au9+という種が存在したとしましょう。Au原子は9個あるので9個の自由電子を供給すると考えるのですが、全体として電荷は1+なので、1–の電荷を持つ電子が一つ足りていないと考えて、8電子と見做せるのです。

このようにして単純化したモデルから簡単な推測ができ、クラスターを超原子というふうに見立てて扱うことが可能となります。超原子があるということは超原子同士が結合した「超原子分子」と呼ばれる物質も存在する3-6のですが、それはまたの機会に。

3. 配位子保護金超原子

さて、ここまであたかも金クラスターは金原子だけが寄り集まったもので、安定に存在できるかのように紹介してきました。しかし、実際にそのような状態で存在できるのは真空中のみです。溶液中でそのような物質が存在した場合、いくら閉殻超原子でも即座にクラスター同士がくっついていき、金属光沢を放つバルクの金属になってしまうでしょう。とはいえ真空中での実験にはかなりの制限がかかってしまいます。数多くの分析技術が確立されている溶液中での取り扱いができれば良いのは間違いありません。 では、どのようにしてクラスターが集まらないようにするのか。クラスター表面を配位子で覆ってしまい安定化すれば良いのです。以降、単にクラスターと呼ぶと配位子保護金クラスターのことを指し、中心の金属部分を金属コアと呼びます。
金属コアの保護には図4に示したような配位子がよく使われます。その多くは、Au(I)錯体にもよくみられるものです。配位子は大きく分けて2種類に分かれます。電荷を持たない中性配位子と負電荷を持つアニオン性配位子です。図4を見て一つ不思議な配位子に気づくかもしれません。灰色で示されたヒドリド(H)です。ヒドリドは普通に考えればアニオン性配位子なのですが、水素と金の性質の近さから、金属コアの一部をなす金属原子のような振る舞いをすることがあります7-10。このようなヒドリドを持ち、特徴的な反応性を持つ金クラスターが知られています。そのクラスターは様々な別のクラスターを狙って作れるという性質をもつ4,5,9-13のですが、今回の記事では省かせていただきます。


図4 配位子保護金超原子

さて、実際の配位子保護超原子を例にあげてみましょう。図5に示すのは[Au25(PET)18]と[Au13(dppe)5Cl2]3+の構造です。これらの構造はSCXRDによって決定された結晶中での構造です。


図5 実際の配位子保護金超原子14,15
黄: Au, オレンジ: P, 黄緑: Cl, 緑: S, 灰色: C

さて、気になるのはこれらの分子の超原子軌道に入る電子の数です。閉殻な超原子となっているのでしょうか?配位子保護超原子は金属コアだけでなく配位子が存在するため難しそうに見えますが、簡単な算数による電子数の見積り方法が提案されています16。 配位子保護金超原子の分子式は一般的に [AuNXkYl]z+ と表すことができます。Xはアニオン性配位子、Yは中性配位子を示しています。そして、形式的な超原子の電子数をn*とすると、

\begin{equation} n^* = N-k-z \end{equation}

という単純な式で表せるのです。早い話が、錯体中の中心金属原子のd電子数を考えるときと同じようなノリですね。
さて、考え方がわかったところで図5の超原子の電子数について考えて見ましょう。 [Au25(PET)18]は25個の金原子と18個のPET(チオラート)、つまりアニオン性配位子を含んでいて、クラスターの電荷は–1です。 そのため、n* = 25 – 18 – (–1) = 8となり、8e体であると考えることができるのです。同じようにして、[Au13(dppe)5Cl2]3+ は13個の金原子と5個の中性配位子、 2個のアニオン性配位子を含む3価のカチオンです。そのため、n* = 13 – 2 – 3 = 8となり、これもまた8eとなります。8eの超原子は1Sと1Pが過不足なく占有されていて安定であると超原子モデルからも予測されます。このように配位子がくっついていても超原子モデルは有効であり、クラスターの取り扱いを助けてくれるのです。

4. 金超原子の幾何構造と電子構造

さて、ここまでの話では全て金属コアは球形であると仮定していました。 しかし、金属コアはあらゆるクラスターで球形というわけではありません。 では、形状に変化が生じた場合、超原子軌道はどのように変化をしていくのでしょうか。
ここでは球を押し潰した形、扁球の金属コアについて見ていきましょう。 扁球のコアを考えるにあたって一から新しく考え直すのではなく、球形コアで得た知見をもとにして考えていきます。 皆さんはヤーンテラー効果についてはご存じでしょうか?錯体のd軌道分裂について考える時によく出てくる概念で、 六配位錯体が正八面体から歪んで安定化するという現象を理解することができます。ここではz軸方向の結合が縮んだ錯体について考えてみましょう。 結晶場理論にもとづくと、z軸方向にローブを持つd軌道は配位子との反発が増加して不安定化します。これによって、もともと分裂していたd軌道がさらに分裂するという現象が起きるのです。


図6 錯体のヤーンテラー効果

同様のことが超原子でも起こります。扁球型金属コアは球がz軸方向に縮んだ形をしています。そのため、z軸方向にローブを持つ軌道は不安定化して高いエネルギーを持つようになるのです。


図7 超原子のヤーンテラー効果

この結果、1S, 1Px, 1Pyを占有してしまえば閉殻となるので、6電子の超原子も安定に存在することになります。6eで安定化されている超原子の例としては、[Au9(PPh3)8]3+が挙げられます(図8)。この超原子は平たい金属コアを持っています。


図8 [Au9(PPh3)8]3+の結晶構造17(2方向からの図)

5. ドープによる金超原子の性質の変化

ここではAu13コアに金以外の金属原子を1つドープすることによる効果について紹介したいと思います。その1つの金属原子が金原子と置き換わっているということ以外の条件(例えば配位子とかコアの形とか)が統一された化合物同士の比較を行っていきます。Au13コアは正二十面体で対称性が非常に高く、金属原子が置かれる環境は2種類しかありません。


図9 Au13コア中の金属原子の種類(赤が中心原子、青が表面原子)

図9に示したように中心原子と表面原子の二種類に分けられます。では、ドープした金属原子はどちらと置き換わるのでしょうか。答えは金属原子の種類に依存します。経験則的に、周期表上で金原子よりも右側にある元素(例えばHg, Cd)をドープした場合、青の金原子が置き換えられます。一方、金原子よりも左側にある元素(例えばPd, Pt)をドープした場合、赤の金原子が置き換えられた化合物が得られることがわかっています。


図10 Au13コアへの1原子ドープが報告されている元素12,18-21
背景が赤のものは中心ドープ、青は表面ドープ、白のものは報告されていない(筆者が知る限り)

さて、これらのエネルギー準位は2ステップジェリウムモデルによって解釈することができ、図11のようになります22


図11 2ステップジェリウムモデル

中心にドープされる金属は周期表左側のものであり、原子核の正電荷は小さなものになります。そのためコア中心付近では電子を金原子の場合ほど安定化できず、エネルギー準位は全体的に上昇します。一方、表面にドープされる金属は逆の傾向をもちます。

超原子の電子数はどう数えれば良いのでしょうか?Auの左隣のPtは中性原子の時、[Xe]4f¹⁴5d⁹6s¹となります。Auと比べると1電子足りていません。そのため、全ての原子がAuだとして出した時の値から1引けば良いのです。Irであれば2引けばよくて、逆にHgであれば1足せば良いです。

さて、それでは実際に単離されて物性が研究されている1原子ドープAu13超原子を1つ紹介します。


図12 Au13(dppe)5Cl2 クラスターへの1原子ドープの例18,20
背景が赤のものは中心ドープ、白のものは報告されていない(筆者が知る限り)

このクラスターでは全てのドープ体で8eが単離されています。やはり超原子モデルによる安定性の推測が適応できるようです。 このクラスターではUV-vis, 電気化学測定で軌道のエネルギー準位が実験的に調べられています。その結果、2ステップジェリウムモデル通りの傾向が見られています。

ただし、2ステップジェリウムモデルをもとにして考えると、中心付近にノードを持つ軌道はあまりドープ原子の影響を受けずエネルギー準位の上昇幅が小さいことが予測されます。その予測に基づくと、HOMOである1P軌道の上昇幅は、LUMOである1D軌道の上昇幅よりも大きく、周期表左側の元素をドープするほどHOMO-LUMOギャップが小さくなりそうですが、実験結果的にはHOMO-LUMOギャップは大きくなっていきます。 ここには過度な単純化をおこなったジェリウムモデルの破れが顕在化しています。Osドープクラスターについては実験的に単離されていませんが、理論計算でその性質が研究されています23。その研究によると、周期表左側に行けば行くほど5d電子のエネルギー準位が高くなってきていて、Osでは内殻電子として無視することができなくなってきています。Osの5d原子軌道が、対称性があう1Dと相互作用して結合性軌道・反結合性軌道のようなものを作ります。 その結果、反結合性軌道がLUMOとなります。同じような効果がPt, Irの場合にもあると考えられます。このHOMO-LUMOギャップの増大はクラスターの発光特性に影響を与えていて、量子収率はAu < Pt < Irの順序となっています20。このように、ドープによって超原子の物性を操ることが可能となっています。

6. 終わり

ここまで、超原子の性質について紹介をしてきました。超原子というコンセプトは金クラスターの理解を強力に助けてくれますが、 その単純さゆえに破れもやはりあるということで修正が場合に応じて必要ということが伝わったかと思います。 かなり噛み砕いて説明したつもりなので、詳細について知りたい人はぜひ、参考文献を見ていただければと思います。特にレビュー論文22,24,25はこの記事の上位互換のような感じになっています。長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

参考文献

(1) 近藤保.; 市橋正彦. クラスター入門 : 物理と化学でひも解くナノサイエンス. 2010.

(2) 佃達哉. 金属クラスターの化学 : 新しい機能単位としての基礎と応用. 2017.

(3) Cheng, L.; Ren, C.; Zhang, X.; Yang, J. New Insight into the Electronic Shell of Au38(SR)24: A Superatomic Molecule. Nanoscale 2013, 5 (4), 1475–1478. https://doi.org/10.1039/c2nr32888g.

(4) Ito, E.; Takano, S.; Nakamura, T.; Tsukuda, T. Controlled Dimerization and Bonding Scheme of Icosahedral M@Au12 (M=Pd, Pt) Superatoms. Angew. Chem. Int. Ed Engl. 2021, 60 (2), 645–649. https://doi.org/10.1002/anie.202010342.

(5) Ito, E.; Ito, S.; Takano, S.; Nakamura, T.; Tsukuda, T. Supervalence Bonding in Bi-Icosahedral Cores of [M1Au37(SC2H4Ph)24] (M = Pd and Pt): Fusion-Mediated Synthesis and Anion Photoelectron Spectroscopy. JACS Au 2022. https://doi.org/10.1021/jacsau.2c00519.

(6) Xu, C.; Zhou, Y.; Shi, L.; Cheng, L. Superatomic Three-Center Bond in a Tri-Icosahedral Au36Ag2(SR)18 Cluster: Analogue of 3c-2e Bond in Molecules. J. Phys. Chem. Lett. 2022, 10147–10152. https://doi.org/10.1021/acs.jpclett.2c02552.

(7) Buckart, S.; Ganteför, G.; Kim, Y. D.; Jena, P. Anomalous Behavior of Atomic Hydrogen Interacting with Gold Clusters. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125 (46), 14205–14209. https://doi.org/10.1021/ja036544t.

(8) Mondal, K.; Agrawal, S.; Manna, D.; Banerjee, A.; Ghanty, T. K. Effect of Hydrogen Atom Doping on the Structure and Electronic Properties of 20-Atom Gold Cluster. J. Phys. Chem. C 2016, 120 (33), 18588–18594. https://doi.org/10.1021/acs.jpcc.6b04584.

(9) Takano, S.; Hirai, H.; Muramatsu, S.; Tsukuda, T. Hydride-Doped Gold Superatom (Au9H)2+: Synthesis, Structure, and Transformation. J. Am. Chem. Soc. 2018, 140 (27), 8380–8383. https://doi.org/10.1021/jacs.8b03880.

(10) Takano, S.; Hirai, H.; Muramatsu, S.; Tsukuda, T. Hydride-Mediated Controlled Growth of a Bimetallic (Pd@Au8)2+ Superatom to a Hydride-Doped (HPd@Au10)3+ Superatom. J. Am. Chem. Soc. 2018, 140 (39), 12314–12317. https://doi.org/10.1021/jacs.8b06783.

(11) Hirai, H.; Takano, S.; Tsukuda, T. Synthesis of Trimetallic (HPd@M2Au8)3+ Superatoms (M = Ag, Cu) via Hydride-Mediated Regioselective Doping to (Pd@Au8)2. ACS Omega 2019, 4 (4), 7070–7075. https://doi.org/10.1021/acsomega.9b00575.

(12) Takano, S.; Ito, S.; Tsukuda, T. Efficient and Selective Conversion of Phosphine-Protected (MAu8)2+ (M = Pd, Pt) Superatoms to Thiolate-Protected (MAu12)6+ or Alkynyl-Protected (MAu12)4+ Superatoms via Hydride Doping. J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (40), 15994–16002. https://doi.org/10.1021/jacs.9b08055.

(13) Takano, S.; Tsukuda, T. Atomically-Ordered Trimetallic Superatoms M@Au6Ag6 (M = Pd, Pt): Synthesis and Photoluminescence Properties. Chem. Lett. 2021, 50 (7), 1419–1422. https://doi.org/10.1246/cl.210190.

(14) Heaven, M. W.; Dass, A.; White, P. S.; Holt, K. M.; Murray, R. W. Crystal Structure of the Gold Nanoparticle [N(C8H17)4][Au25(SCH2CH2Ph)18]. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130 (12), 3754–3755. https://doi.org/10.1021/ja800561b.

(15) Shichibu, Y.; Konishi, K. HCl-Induced Nuclearity Convergence in Diphosphine-Protected Ultrasmall Gold Clusters: A Novel Synthetic Route to “Magic-Number” Au13 Clusters. Small 2010, 6 (11), 1216–1220. https://doi.org/10.1002/smll.200902398.

(16) Walter, M.; Akola, J.; Lopez-Acevedo, O.; Jadzinsky, P. D.; Calero, G.; Ackerson, C. J.; Whetten, R. L.; Grönbeck, H.; Häkkinen, H. A Unified View of Ligand-Protected Gold Clusters as Superatom Complexes. Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2008, 105 (27), 9157–9162. https://doi.org/10.1073/pnas.0801001105.

(17) Wen, F.; Englert, U.; Gutrath, B.; Simon, U. Crystal Structure, Electrochemical and Optical Properties of [Au9(PPh3)8](NO3)3. Eur. J. Inorg. Chem. 2008, 2008 (1), 106–111. https://doi.org/10.1002/ejic.200700534.

(18) Hirai, H.; Takano, S.; Nakashima, T.; Iwasa, T.; Taketsugu, T.; Tsukuda, T. Doping‐mediated Energy‐level Engineering of M@Au12 Superatoms (M = Pd, Pt, Rh, Ir) for Efficient Photoluminescence and Photocatalysis. Angew. Chem. Int. Ed Engl. 2022. https://doi.org/10.1002/anie.202207290.

(19) Takano, S.; Hirai, H.; Nakashima, T.; Iwasa, T.; Taketsugu, T.; Tsukuda, T. Photoluminescence of Doped Superatoms M@Au12 (M = Ru, Rh, Ir) Homoleptically Capped by (Ph2)PCH2P(Ph2): Efficient Room-Temperature Phosphorescence from Ru@Au12. J. Am. Chem. Soc. 2021, 143 (28), 10560–10564. https://doi.org/10.1021/jacs.1c05019.

(20) Hirai, H.; Takano, S.; Nakamura, T.; Tsukuda, T. Understanding Doping Effects on Electronic Structures of Gold Superatoms: A Case Study of Diphosphine-Protected M@Au12 (M = Au, Pt, Ir). Inorg. Chem. 2020, 59 (24), 17889–17895. https://doi.org/10.1021/acs.inorgchem.0c00879.

(21) Fei, W.; Antonello, S.; Dainese, T.; Dolmella, A.; Lahtinen, M.; Rissanen, K.; Venzo, A.; Maran, F. Metal Doping of Au25(SR)18- Clusters: Insights and Hindsights. J. Am. Chem. Soc. 2019, 141 (40), 16033–16045. https://doi.org/10.1021/jacs.9b08228.

(22) Takano, S.; Tsukuda, T. Chemically Modified Gold/Silver Superatoms as Artificial Elements at Nanoscale: Design Principles and Synthesis Challenges. J. Am. Chem. Soc. 2021, 143 (4), 1683–1698. https://doi.org/10.1021/jacs.0c11465.

(23) Wei, J.; Rodríguez-Kessler, P. L.; Halet, J.-F.; Kahlal, S.; Saillard, J.-Y.; Muñoz-Castro, A. On Heteronuclear Isoelectronic Alternatives to [Au13(Dppe)5Cl2]3+: Electronic and Optical Properties of the 18-Electron Os@[Au12(Dppe)5Cl2] Cluster from Relativistic Density Functional Theory Computations. Inorg. Chem. 2021, 60 (11), 8173–8180. https://doi.org/10.1021/acs.inorgchem.1c00799.

(24) Hirai, H.; Ito, S.; Takano, S.; Koyasu, K.; Tsukuda, T. Ligand-Protected Gold/Silver Superatoms: Current Status and Emerging Trends. Chem. Sci. 2020, 11 (45), 12233–12248. https://doi.org/10.1039/d0sc04100a.

(25) Omoda, T.; Takano, S.; Tsukuda, T. Toward Controlling the Electronic Structures of Chemically Modified Superatoms of Gold and Silver. Small 2021, 17 (27), e2001439. https://doi.org/10.1002/smll.202001439.